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2024年06月20日

△▼△ 🚗サポ室訪問記🚗 ~第4弾 vol.1~ ▼△▼

不定期シリーズ企画の第4弾は上川町と和寒町への訪問です。

2町への訪問のため2回に分けることにして、vol.1では上川町への訪問をお送りします。


 

【幻の就業セミナー事例発表】

昨年度、北海道庁が初めて主催した研修の1つに「就業セミナー」(2024年2月29日開催)がありました。

現役の地域おこし協力隊員を対象としたセミナーのため、ハローワークなどを通じた一般的な就職ではなく、地域に入り込んだ活動を通じて地域からの信頼を得ることで、隊員の能力や個性に合った就業(就職)先を地域内で確保することをテーマに、「講義」と「事例発表」を行うことにしました。

 

事例発表は[任期終了後に同一市町村で就業した協力隊経験者]を自治体、民間企業、関連団体の3分野から1名ずつ探すことにしました。

総務省調査の「関連団体に就業した協力隊経験者」の中から事例発表の候補者を探していたところ、ほぼ全員が最長3年の任期終了に合わせて就業している中、わずか1年1か月で隊員活動を終了して就業している方を発見しました。

あまりに短い活動期間に地域とのミスマッチが頭をよぎりましたが、活動終了後も同じ市町村で就業している事実。

 

「もしかしたらミスマッチじゃないのでは?」

 

そう思い立って振興局を通じて該当する方の特定を進めたところ、元上川町地域おこし協力隊で層雲峡観光協会に就業した浅野洋平さんであることを突き止めたサポ室。

 

浅野さんご本人にコンタクトを取る前にインターネットなどで調べたところ、隊員時代の活動と層雲峡観光協会での業務には密接な関係があることが判明。

まさしく隊員の能力・個性に合った就業先を確保できたケースということで、喜び勇んで就業セミナーの事例発表を打診。

ところが、当時、上川町では冬の一大イベントである氷瀑まつりの真っ只中。

当然のことながら浅野さんは連日の氷瀑まつり対応ということで、令和5年度の就業セミナーでの事例発表は幻に終わりました。

 

「氷瀑まつりが終わったら時間ができます!」との浅野さんの言葉に、「雪が溶けたら必ず取材に行こう!」と早くも決意した職員なのでした。

 

【春を過ぎて初夏の対面、そしてインタビュー】

高い山には雪が残るものの、すっかり雪の溶けた2024年6月4日、ようやく浅野さんとの対面が実現しました。

年度末や年度初めの業務のために氷瀑まつりが終わってから2か月以上が過ぎてしまいましたが、穏やかな天気の下、上川総合振興局の職員2名も加わって、浅野さんへのインタビューを行いました。

 

【元上川町地域おこし協力隊 浅野洋平さん】

兵庫県姫路市出身の浅野さんは、大学で秋田県に行き、在学中には交換留学で1年間のマカオ生活を送り、卒業後に東京で2年間の社会人生活を送った後、2019年7月に上川町地域おこし協力隊として移住しました。

 

社会人2年目の3月、人事異動で言い渡されたのが「絶対に行きたくない部署」だったことをきっかけに、4月から転職活動をスタート。

初めは出身地の関西に帰りたい気持ちと北海道に行きたい気持ちの両方があったとのこと。

興味のあった海外青年協力隊は職歴が浅いため断念し、大学在学中から制度を知っていた「地域おこし協力隊もいいな」と考え、某社の転職フェアに参加。

人事異動の件で「精神的に病んでいた」状態だったため、「人のいないところに行きたかった」浅野さん、そこで話を聞いたのが上川町のブースでした。

上川町は「地域おこし協力隊の話しかされなかった」ことが非常に印象的で、【上川町の地域おこし協力隊】以外の候補はなかったとのこと。

フェア終了後、5月の面接を経て7月には着任し、短期間での移住・転職が実現。

 

短い隊員活動でしたが、層雲峡オートキャンプ場内にツリーハウスを建設するため、クラウドファンディングを実施。新型コロナウイルスの影響で頓挫しそうな時もあったようですが、活動1年目で自由な時間もあったため、いただいた寄附(目標達成)で念願のツリーハウスを建設。

氷瀑まつりの手伝いなどを通じて層雲峡観光協会と連携する機会も増えていったそうです。

 

そんな隊員活動が2年目を迎える前に、先輩協力隊員からの紹介で層雲峡観光協会への就業が決定。

誰もが聞きたくなる最長3年を待たずしての就業の理由は、「せっかちで、かつ起業の選択肢もなかったから」とのこと。

就業後の現在は、シーズンごとのイベントの運営や層雲峡オートキャンプ場の管理、観光案内などの業務を行っているそうです。

 

上川町に移住してから間もなく5年、町内にはカフェが増え、そこで働く若い人も増えたそうで、マチに活気が出てきているとのこと。

20代が最後と思い定めてやりたいことをやり終えてしまった浅野さん、これからやってみたいことは「模索中」のようですが、活気を取り戻しつつあるマチの空気に刺激されて、ツリーハウス建設に続く構想が出てくる日もそう遠くないのではないでしょうか。

 

別れ際、2024年度の就業セミナーでは、事例発表者として登壇いただくことをお願いしたのは言うまでもありません。

 

〔マスコットキャラクター「かみっきー」をバックに決めポーズで浅野さんと記念撮影〕

 

〔上川駅をバックに決めポーズで浅野さんと記念撮影〕